全身検索型画像診断AI技術を用いた外傷による致死的活動出血検出AIシステムの開発と実装

高齢化が進行し患者が急増する中、日本では医師不足が深刻となっている。救急搬送数の激増した救命現場は既に対応のキャパシティーを超えており、実際に時間外の手薄な状況下ではどうしても救命が困難な患者が存在する。その代表が重症の外傷患者である。重症の外傷患者の最大の死亡原因は失血である。そのため、重症の外傷患者を救命できるか否かは、出血点を迅速に特定し止血できるかに全てがかかっている。
救命現場においては、体表から診るだけではどこから出血しているかがわからないため、CTという装置で頭から足先まで詳細に体内を画像化し、これをもとにどこから出血しているかを見つけ出す。このCT検査はとても有用である一方2つの大きな問題を抱えている。時間と見逃しの問題である。
本研究における我々の目的は、CT画像から出血点を迅速に見つけ出すことのできるAIシステムを開発することで、時間帯や病院規模に左右されずどのような状況においても最善の外傷救命を実現し、Preventable Trauma Death(全外傷死の20%にものぼる、適切な処置を施せば救命できたと推定される外傷死)のない世の中を実現することである。
