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アーカイラス株式会社

  • 2024
アーカイラス株式会社

光の波長よりも小さな金ナノ粒子には、プラズモンというナノの光がまとわりついています。その作用により金ナノ粒子は光を集め濃縮するアンテナやレンズのように働きます。そのナノ凝集構造を制御すると、集合体近傍の分子のラマン散乱が著しく増強される「表面増強ラマン散乱(SERS : Surface Enhanced Raman Scattering )」現象が生じます。光を濃縮するこの性質を利用して、色素不要のラマン散乱増感センシング技術 co-aggregation法 SERS の販売ならびにコンサルテイングと、サプライチェーンセキュリティのための極小サイズのステルスタグの開発を進めています。

研究テーマ

ステルスタグ検出ベータ機の試作

高度化したICTでは人間が生活するフィジカル世界とデジタル情報のサイバー世界とのインターフェースがコア技術となる。従来、その手段であったシールやラベルには、剥がされる・流用される・目に見えるのでリバースエンジニアリングされるなどのリスクがあった。そこで、独自のプラズモニックナノタグを製品に印刷あるいは塗布し、検出される分光波形を署名とする新しいトレーサビリティ技術を創成する。本事業では、その第1段階として、モデル試料の微少領域に実装した2種類のステルスタグを簡便に読み取るステルスタグ検出ベータ機を試作する。本事業完了後には、試作したベータ機で取得したステルスタグの波形署名を用いたサプライチェーンセキュリティを世界に提案する。

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2024年度の研究成果に対する評価

審査委員の評価

<Good Points>
金ナノ粒子の液中自己集合化によるナノタグ、ステルスタグ、高精度な検出器というユニークな研究開発及び技術が評価できる。
<Next Challenges>
スタートアップとしての事業の成長が見られず、顧客からの売上や事業開発の成果が読み取れない。
経営体制が整っておらず事業展開への戦略が不足している。

ICT-SUL業務実施機関の評価(研究成果に対する講評)

<Good Points>
金ナノ粒子を用いた革新的なナノタグ及びステルスタグ技術の開発に成功し、特に高精度な検出器の試作品を作成できたことは評価できる。この技術は、模倣品対策として非常に効果的で、サプライチェーンセキュリティの新たな標準を打ち立てる可能性がある。
<Next Challenges>
事業成長と売上の確立が課題であり、市場調査と具体的な事業化計画が必要である。また、経営体制と営業戦略の強化が求められ、専門家の採用と営業人材の充実も重要である。

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