シースルー型ARグラスに遠隔手話通訳映像や字幕を投影する新形態の補聴器の開発

聴覚障害者に「声」を届けたい。
何をいまさら、と思う方もいることでしょう。
実は難聴者の多くは、補聴器を着用してもクラクションやサイレンなど、ある程度の「音」は聞こえるようになりますが、肝心の「声」を聞き取ることができません。これは補聴器の性能ではなく、聴神経・内耳・脳の問題ゆえに、補聴器の開発から150年間解決できない課題であり、今後も完全な解決は難しいと推察されます。
さらに、聴覚障害者との意思疎通方法として一般的なのは筆談・字幕ですが、手話を第一言語とする聾者の場合、日本語と手話の文法は全く異なるため長文理解が苦手であり、正確に文章の意味を汲み取るのが難しいという課題もあります。
そこで私は「音」は補聴器で、「声」はARグラスで『聴こう』をコンセプトに、会話内容をリアルタイムで手話通訳映像もしくは字幕に変換し、希望するどちらかをシースルー型のARグラスに投影できる、新形態の補聴器を考案しました。
これが実現できた時、全世界の聴覚障害者のコミュニケーションは革新的な進展を迎えるでしょう。
